「ありがとう」の多い店づくり

「いらっしゃいませ」という言葉は、お店でお客様に声をかけるのに常識と思われています。お客様も、いらっしゃいませと言われるのが普通で、逆に言わないのは失礼な店と思います。「いらっしゃいませ」も、来店していただいて感謝の気持ちを表す言葉であると思います。でもその意味をどれだけ考えて使っているでしょうか。活気を出すために、大きな声で「いらっしゃいませ」を連発しているのもよく見かけます。ある意味それは大事なことです。しかし本質を忘れていることは、大きな問題です。

「ありがとう」という言葉は、日常でも当たり前に使い、それは感謝の言葉であることは、頭で理解しているというよりも、体で覚えているものです。人としての常識ですが、それが商売として、接客用語という捉え方をすると、本当に気持ちをこめて使われているでしょうか。商売は、人に対してやっていることです。気持ちが入っていなければ、機械と同じです。レジでは、一日に対応するお客様の数だけ、それ以上に「ありがとうございます」と言わなければなりません。本当に気持ちを持っていなければ、言うこともできないし、想いも伝わりません。「ありがとう」という言葉は、自分の商売に対しての姿勢を作り上げる大事なものだと思います。従業員の末端まで、これを徹底することは実際は難しいものです。わかってはいても、トップの思ったようにはなっていないことが多いでしょう。気持ちは感じ取るものです。レジで儀礼的に言われているのもわかってしまいます。言われないのは常識外です。とりあえず、買い物を完結する言葉的に捉えられているのかもしれません。

私が店長をしていた時に、心に意識していたことは、「いらっしゃいませ」よりも、「ありがとう」の多い店作りということでした。お客様が来店されて、商品を手にとってくれただけでも、「ありがとうございます」、何か聞かれただけでも「ありがとうございます」というように、全てにありがとうございますとお応えし、事あるごとにそのように指導もしてきました。すぐに徹底できるものではありませんが、これが原点でもあると思います。「いらっしゃいませ」も、出来るだけお客様一人ひとりに顔を向けて伝えるようにしてきました。一人ひとりにするから、会話が生まれてきます。

接客用語という言い方をしてしまうので、本来の趣旨と外れてしまうのかもしれません。全ては挨拶です。日常生活の中では、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」などが挨拶です。「おはようございます。いらっしゃいませ」と言うようにするのも、気がつくきっかけにもなります。



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