データ分析をどうとらえるか

営業データの分析は、必ずしているものと思います。皆さんは、そこから何を読み取り、具体的にどう行動しているでしょうか。意外にも、データは出ていても、具体的な行動をしていないレベルの企業は多いように思います。

営業会議をしても、結果に対して、プロセスの説明を受け、妙に達成できなかったことを納得してしまっているトップも多いかもしれません。しかし結果は結果です。現実として認めなければならないのです。良かったらよい結果、悪かったら悪くしかならないのです。それはまた、お客様の評価そのものでもあります。来店されたお客様が、あなたのお店の営業に対して、必要であったかなかったかの評価なのです。

まず会社全体について、売上、粗利益について、前年比、予算対比について見ます。そこから悪かった部分について、部門について、大分類、中分類と掘り下げ、原因を追究していると思います。掘り下げていくと、最終的には、前年の売上ベスト単品で、売上の大きく変動しているものに行き着いているでしょう。もちろん売れていたものが売れていなければ、結果は大きくちがいます。それに代わる何かが売れているでしょうか。時間が過ぎて、いつまでも同じものが同じように売れるわけでもありません。

常に変化はあって当然です。流行も、味覚も感性も変化します。時代の流れに合わせなければなりません。世の中の変化に合わせるといっても、大きな流れはありますが、地域、そして自分のお店に来店してくれているお客様一人ひとりにとって、どうなっているかが一番大切なポイントです。


一人ひとりのお買い上げの集大成が売上です。マクロ的に見ると、一般的に名前の知られたメーカー、商品、そして主食系だったり、料理の材料によく登場してくる野菜、肉、魚などが売れ筋になっているはずです。多少の違いはあっても、どこでも同じような感じだと思います。でもこの結果は、お客様一人ひとりの積み重ねです。

一人ひとりに注目して、対応を考える姿勢が必要です。この気持ちがなければ、それほどちがわないからと、目先に見える他人がやっている手法に走ってしまうでしょう。全体のABC分析はよくされていると思います。私は、お客様のベストをデシルで分けて、その一人ひとりの単品の積み重ねを、一人ひとりABCにしてみると、そこには無限といってもいいくらいヒントが隠れています。

一人のお客様に注目して、そのライフスタイルを想像してみたり、気になった単品から、商品の結びつきを考えたり、またその商品を、他のお客様は、どんな人が、どんな頻度で買っているかとか、それはどこから来ているお客様なのかとか・・・。色々と考えて、それを整理していくと、ただの売れ筋や死に筋から読み取るデータとは、発想がかなりちがって見えてきます。ここから読み取る答えは、一つではありません。お客様を思う数だけ存在するし、それはまた一つの芸術でもあります。


芸術は、その芸術家のセンスに共感する人が評価してくれます。好きな人は好き、嫌いな人は嫌いと、人それぞれ強制されるものでもありません。商売も似ていると思いませんか。一般的に良く思われるよりも、何回も来店してくれるお客様に好きと思ってもらえることが満足ではないでしょうか。人に好かれようとしても、自分の気持ちが先行しているだけでは認めてもらえません。それよりも、相手に喜んでもらえるように、相手の気持ちになって、また自分だったらこうしてもらいたいということをするほうが、結果は良いはずです。


商圏内における競争では、大手企業の力は強大です。中小企業は、同じやり方で競争したのでは負けることは明白です。しかしお客様の求めているものは全てちがうのです。あなたのお客様も同じではないのです。大きなものが万能であるわけでもありません。小さな世界での競争では、逆転することも多く存在します。前からある人間関係に新しく入ってきて、いきなり取って代わることは難しいものです。自分にとって関係が深い、信頼のあるお客様をどれだけ多くすることが出来るかです。


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