インターネットの世界で買い物をする心理

リアルの世界で買い物をする意識、価値観と、インターネットのショップで買い物をする意識、価値観は、買物をする人は買い物をするという意識でいますが、実際にはかなりちがっています。

リアルの世界ではお店に出かけていき、そこで商品を見て買うか買わないか、欲しいか欲しくないかを決めます。商品の比較も、実際に手にとって詳しく見ることも出来るし、鮮度や使い勝手などリアルに感じ取りイメージできます。

接点にリアルがないだけ、ゲーム感覚の人も多く存在します。

商品が届いていなくても評価をする人がいます。もう趣味の世界なのかもしれません。注文しても、キャンセルも多いところもあります。

買うということについても、無責任な感じがする。リアルの商売では、何か買わないと悪いのではないかという気もしたりして、ついそれほど必要でないものを買っている人も少なくない。

直接会って話が出来ないので、思いも心も伝わりにくい。

サイトを作ったり色々と準備をしても、アクセスしてくれなければ結果になりません。すぐそこに大勢いるのに、この距離は無限になってしまいます。きっかけはそれぞれ何かあるはずですが、表現など価値観がちがっていれば、いつまでたっても平行線でしかありません。興味を持ってもらわなければ、ただの他人でしかないのですから。

ネットの世界では、距離感は存在しません。画面を通してすぐ前に相手がいます。そこにいるのはお客様の場合もあれば、詐欺師ということもあります。目に見えないので、年齢も感情も何を考えているのかもわかりません。とりあえずコンタクトしてくることも抵抗ありません。メールであれ電話であれ、コンタクトしてくるのも、とんでもなく遠いところから、他のモールから出店の勧誘とか、広告とか多く来ます。

リアルでは市場に距離は絶対の存在であり、そのために商圏に限界があります。限界を超えるためには、範囲を広げなければならないのです。資本があれば、簡単なのは投資することです。売場も広げるのが早いことになります。しかし本当の実力は、限られた中で、以下に効率をあげ、結果の数字を伸ばすことが出来るかということが本物なのだと思います。渋谷の109は、内容を向上することにより成績を伸ばしています。

インターネットモールを運営している会社の提供しているものはサービスです。見方を変えると、出展するに当たってそこに土地も建物もなく、バーチャルの世界に作り上げられるバーチャル不動産のようなものです。そこでショップを展開する側は、自分の結果として利益を上げなければなりません。それはあくまでも自己責任です。しかしある程度アドバイスしてサポートしてもらっていると、それが自己責任であることを忘れてしまう人も少なくないようです。助けてもらうことが当たり前になって、自分が求めているサポートでないと、モール側の責任のように思い込んでいる場合も聞きます。

リアルでは、出店するには土地を買ったり借りたりして、そこに建物を建て、実際にお金もかかります。全て実際に動き、簡単にリセットできません。営業を始め、リアルにおいては、考えたことをすぐに行動に移すことも出来、それには何らかの結果がすぐにわかります。ネット上では、考えたことはすぐに実行できますが、結果がすぐに出るとは限りません。反応がないと実にじれったいものです。両方の世界とも、長所短所があります。

ネットモールでショップの運営をサポートしてくれる担当者は、実際に小売など販売の経験、売って儲けるという経験、結果がどれだけあるのでしょうか。実際に彼らは年齢的に若い方が多く、リアルの世界での商売経験としてはあまり無い人が多いように感じます。そのため利益の取り方などについて質問すると、的確に答えてくれる確率は非常に低いです。経験が浅ければ、実際に自分の考えの基に商売で責任者として結果を出したことはまず無いのでしょう。そこでもリアル感は欠けています。このギャップは非常に大きなことです。

実際のショップの経営者は、利益がなけれ商売は成り立ちません。モールサイドにしてみれば、ショップの売上が上がれば上がるだけ手数料が入るために、まず売上の結果を優先してきます。まずお客様がいないのですから、安売りをしたり、プレゼントをしたり、損をしても集客することはもちろん大切なことです。安売りというのは、販売の経験が無くても安いものを買った経験はだいたいあるのでイメージしやすい。だからあの手この手と販売の手口は紹介してきます。しかし利益がなければ成り立たないのです。ショップとしては無謀にやることは、先が見えなければ進んでやるのは怖いということがリアルに感じ取ってもらえていないことは多いのが実態です。

プレゼント企画はリアルの世界でもありますが、思っている以上にバーチャルの世界ではゲーム感覚が強く、またシステムとしても自動応募のソフトを使って何回でも応募してくる人がかなり多いのが当たり前です。このようなやり取りの繰り返しも、ショップとしても価値観がどんどんバーチャルに染まってくる要因にもなるのでしょう。

 リアルの世界では、安売り競争をしても当たり前にNB商品が売れ、来店したときに他の商品を買ってもらう確立も高く、また売り込むこともそのお客様の状況を見ながらすぐに対応することは可能です。この感覚は、バーチャルの世界では実際にやってみるとギャップは大きく、理解するまで時間がかかります。そして理解するとどのように対応するかを具体的に考えて仕掛けをして待たなければなりません。時間の感覚も変わってきます。

インターネットでの商売も、色々な分野で非常に多くなりました。そしてやったことの無い人にとっては、大きな可能性、夢と希望のある世界のようにも見えてきます。ネットの世界で成功した人の本も多く出版されています。そしてその内容は、成功体験を当たり前のように書いてあるので、誰でも出来てしまうように感じてしまう人も少なく無いでしょう。しかし実態は、チャレンジした人の8割は失敗しているのです。甘い世界ではありません。価値観を十分に理解してコツをつかんだ人にとっては、競争が多く存在してもリアルの世界以上に可能性が高い世界でもあります。

現状では、年齢層が高いとインターネットを利用していない方が多いですが、これから時間が経つにつれ、必然的に全ての人が年を取ります。それにつれて人口に対するインターネット利用率も高くなります。モバイルもどんどん進化し続けています。近未来的には、インターネットの世界は当然であり、距離感はどんどん短くなり、スピード感もさらにアップするでしょう。その対応は、実際に今自分で体験しなければ時代に乗ることは出来ないことになります。しかし同時に、このバーチャルの世界は、新しい価値観を作り上げてしまうことになります。それは本来人が持っていないもののように思います。

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